マンションやアパートは、経年劣化していく設備や水質の保守点検を日頃から実施しなければなりません。
その中でも、法律で義務付けられたものを「法定点検」といいます。
この法定点検とはいったいどのようなものなのか、検査項目と注意点について解説します。
マンションの法定点検とは?
マンションの法定点検とは、おもに「建築基準法」「消防法」「水道法」「浄化槽法」「電気事業法」で定められた検査のことです。
マンション等の不動産オーナーは、これらの点検を義務付けられており、1月〜1年毎に実施するものが多いです。
設備によって、経年劣化や不具合の出方は異なるので、それぞれ専門業者や有資格者に依頼しましょう。
・建築基準法
建築基準法では、「昇降機等定期検査」「建築設備定期検査」「特殊建築物定期検査」を実施します。
この検査では、エレベーターや換気、貯水、排水などの設備点検が含まれます。
延べ面積が1,000㎡を超え、エレベーターが必要になるような大型マンションが対象です。
・消防法
消防法に関する法定点検では、消火器や火災報知器、誘導灯の作動に問題がないかチェックします。
機器点検は6ヶ月に1回で、総合点検は1年に1回実施します。
・水道法、浄化槽法
貯水槽や浄化槽に関する法定点検です。
貯水槽を設置している場合は、塩素濃度の異常や異物混入の有無、水槽の清掃などの「簡易専用水道管理状況検査」を実施します。
・電気事業法
電気設備の保守に関する法定点検です。
変電・送電設備スペースの点検で、毎月実施する日常巡視点検のほか、年に1度の定期点検と3年に1度の精密点検があります。
マンションの法定点検でオーナーが注意すべき3つのポイント
1.建物規模により点検項目が異なる
建物規模や設備により、点検すべき項目は異なります。
新築時に購入した物件であれば、オーナーに対して建設会社から点検項目についての報告があるかと思われます。
注意したいのが、中古で取得した物件は、「必ずしも前所有者がすべての項目を把握しているわけではない」という点です。
例えば、消防法の点検で、天井の火災報知器は実施していても、天井裏の火災報知器は未実施・未設置だったという可能性もあります。
そのため、所有するマンションが該当する項目については、オーナー自ら法律に照らして確認するようにしましょう。
2.検査費用は大きく異なる
それぞれの法定点検にかかる費用も、マンションやアパートの規模によって異なります。
費用が10万円を超えるケースもありますから、あらかじめ共益費・管理費に予算を組み込んでおきましょう。
3.日常的な点検が重要
法定の検査だけでなく、日常的な点検も重要です。
軽度の不具合や経年劣化は、早期発見で修繕コストを抑えることができる場合もあります。
まとめ
マンションの法定点検のポイントについて解説しました。
法定点検は、オーナーに課せられた義務です。
適切に管理された物件であることを示せれば、入居率アップ・退去防止にも繋がるので、欠かさずに実施しましょう。
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