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長期優良住宅とZEHはどちらを選ぶべき?その違いを比較!【2025年】

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長期優良住宅とZEHはどちらを選ぶべき?その違いを比較!【2025年】長期優良住宅とZEHはどちらを選ぶべき?その違いを比較!【2025年】


住宅購入を考える際、「長期優良住宅」や「ZEH」といった言葉を耳にすることも多いと思います。
どちらも高い省エネ性能を持ち、光熱費を削減しやすいというメリットがありますが、この2つの違いは何かご存知でしょうか?


この記事では、「長期優良住宅」と「ZEH」の違いや、それぞれのメリット・デメリットについてご紹介いたします。

まず押さえたい!家の性能を示す3つの基準

まず押さえたい!家の性能を示す3つの基準


「長期優良住宅」と「ZEH」を比較する上で、重要な2つの基準があります。それが「断熱等級」と「耐震等級」です。まずは、この2つを押さえておきましょう。

① 断熱等級

「断熱等級」とは、その家がどのくらい熱を逃しにくいか(少ない冷暖房で快適に過ごせるか)を示す基準です。数字が大きいほど高性能になります。


等級4(現行の省エネ基準)

すべての新築住宅で2025年4月から義務化された、現在の最低ラインです。


等級5(ZEH水準)

ZEHの基準となるのがこの等級5です。等級4よりもワンランク上の断熱性が求められます。また、現在の「長期優良住宅」においても必須基準となっています。


等級6、7

より厳しい基準で、光熱費削減や快適性をさらに追及する高性能な住宅となります。


なお、2027年にはZEH水準が「等級6」に引き上げとなる予定です。また2030年までには「等級5」を新築の最低ラインとして義務化することが決定されています。

② 一次エネルギー消費量等級

「一次エネルギー消費量等級」とは、その住宅1年間のエネルギー消費量を数値化した指標です。単位はBEIで表されます。(BEI=設計一次エネルギー消費量 ÷ 基準一次エネルギー消費量)


等級4

国が定める省エネ住宅の基準が、この等級4以上となっています。2025年4月以降は、等級4以上が義務化されます。(BEI ≤ 1.0)


等級5

等級4の基準から10%以上のエネルギー消費量削減が達成できるレベルです。(BEI ≤ 0.9)


等級6(最高等級)

等級4の基準から20%以上のエネルギー消費量削減が達成できるレベルです。長期優良住宅、ZEHともに、最高等級である「等級6」となっています。(BEI ≤ 0.8)


こちらも2027年には、ZEH水準がエネルギー消費量削減率35%以上に引き上げとなる予定です。

③ 耐震等級

「耐震等級」とは、地震に対する建物の強さを示す基準で、こちらは等級1〜3で表示されます。断熱等級と同様に数字が大きい方が高性能です。


等級1

建築基準法で定められた、最低限の耐震性能(震度6強〜7でも倒壊・崩壊しないレベル)。


等級2

等級1の1.25倍の強さ。学校や病院などの公共建築物に求められるレベルです。現在の「長期優良住宅」では、この等級2以上が必須*となっています。


等級3

等級1の1.5倍の強さ。警察署や消防署など、防災拠点となる建物と同等のレベルです。


*2022年10月から暫定的に壁量計算による等級3が求められていましたが、2025年4月からは計算方法の見直しが行われ、新基準での等級2以上(旧基準の等級3相当)が必須となっています。


「長期優良住宅」と「ZEH」の違いは?性能を比較

「長期優良住宅」と「ZEH」の違いは?性能を比較


前章でご紹介したように、長期優良住宅とZEHはどちらも「断熱等級5」以上、「一次エネルギー消費量等級6」という高い省エネ性能が共通となっています。
では、この2つの違いはどこにあるのでしょうか。結論から述べると、主な違いは「①創エネルギー」「②耐震性・耐久性」にあります。
まずは、一覧で確認してみましょう。

比較項目長期優良住宅ZEH
断熱等級◎ 等級5以上◎ 等級5以上
一次エネルギー消費量◎ 等級6◎ 等級6
耐震等級◎ 等級2以上△ 任意
創エネルギー△ 任意◎ 必須
劣化対策◎ 必須△ 任意

最大の違いは「創エネルギー」と「耐震性・耐久性」

表でご紹介したように、長期優良住宅とZEHの大きな違いは「創エネルギー」の有無と「耐震性・耐久性」にあります。


長期優良住宅

■ 目的:長く安全に、快適に住み続けること
■ 必須要件:高い省エネ性能に加え、耐震性と耐久性が必須


ZEH

■ 目的:エネルギー収支をゼロにすること
■ 必須要件:光熱費ゼロを実現するため「創エネルギー(太陽光発電)」が必須*


このように、長期優良住宅は「建物の安全性と長寿命化」に、ZEHは「エネルギー(光熱費)」に、それぞれ重きを置いていると言えます。


*都市部の狭小地や多雪地で日照時間が短い地域など、一定の条件下では「ZEH Oriented」として太陽光発電なしでも認定可能です。


メリット・デメリットを比較

メリット・デメリットを比較


前章では、長期優良住宅とZEHの性能の違いをご紹介しました。ここでは、具体的に2つのメリット・デメリットについて比較してみましょう。

比較観点長期優良住宅ZEH
税制優遇◎ 大きい〇 あり
耐久性◎ 必須△ 基準なし
資産価値◎ 高い△ 設備次第
光熱費の削減〇 できる◎ 大きい
停電時の電力△ 設備次第〇 できる
導入コスト△ 高い△ 高い
天候への依存なしあり
メンテナンス負担標準設備分あり

「長期優良住宅」のメリット・デメリット

まずは「長期優良住宅」を選ぶ場合の、メリットとデメリットを見ていきましょう。


◎ メリット


税制優遇が最大

住宅ローン控除の借入限度額がZEH水準住宅より高く設定されていたり、固定資産税の減額期間が標準の3年間から5年間に延長されたりと、国からの税制優遇が最も手厚く設定されています。


耐久性が高い

「耐震等級2以上」や、家の耐震が必須基準です。「もしも」の地震への備えや、家の長持ちという安心感は大きな強みです。


資産価値が維持されやすい

しっかりと基準が定められた家のため、将来もし売却することになった場合でも、一般的な住宅より高く評価されやすい傾向があります。


△ デメリット


建築・申請コストがかかる

長期優良住宅の基準を満たすためには、高い耐震性や耐久性を確保するための建築コストや、認定申請のための費用(書類作成・審査料)など、初期コストがかかります。


光熱費削減はZEHが勝る

断熱性が高く省エネですが、「創エネ(太陽光発電)」は必須ではありません。太陽光を搭載しなければ、光熱費の削減効果はZEHに一歩及びません。

「ZEH」のメリット・デメリット

次に「ZEH」を選ぶ場合の、メリットとデメリットを見ていきましょう。


◎ メリット


光熱費の大幅削減が期待できる

「高断熱(省エネ)」と「太陽光発電(創エネ)」の組み合わせで、月々の光熱費をゼロに近づけられるのが最大の魅力です。家計に直結するメリットと言えます。余った電力は売電も可能です。


非常用電源になる

太陽光発電とあわせて「蓄電池」を導入すれば、災害などで停電した時も電気を使うことができます。


△ デメリット

導入コスト(設備費)が高い

必須となる太陽光発電システムや、高性能な給湯器、場合によっては蓄電池など、設備投資にまとまった費用がかかります。


発電量が天候に左右される

太陽光発電は、当然ながら雨の日や曇りの日、日照時間の短い冬場は発電量が落ちます。「常に光熱費ゼロ」を保証するものではありません。


定期的なメンテナンス

太陽光パネルやパワーコンディショナーなどの設備は、10〜15年といった単位で点検や交換(買い替え)が必要になり、そのための費用も見ておく必要があります。


税制優遇について詳しくご紹介!

税制優遇について詳しくご紹介!


高性能住宅は初期コストがかかる分、税制優遇が受けられることが多いです。ここでは、その内容についてご紹介します。

住宅ローン控除

家を購入した後、年末のローン残高に応じて所得税などが戻ってくる「住宅ローン控除」。住宅の性能によって「控除を受けられるローンの上限額(借入限度額)」が変わります。


【子育て・若者夫婦世帯の場合】

■ 長期優良住宅:5,000万円
■ ZEH水準省エネ住宅:4,500万円
■ 省エネ基準適合住宅:3,000万円


【その他の世帯の場合】

■ 長期優良住宅:4,500万円
■ ZEH水準省エネ住宅:3,500万円
■ 省エネ基準適合住宅:3,000万円


2023年までの建築確認を受けた住宅を除き、2024年以降は省エネ基準(断熱等級4)を満たさない新築住宅は原則対象外となります。
例えば、子育て・若者夫婦世帯の方が4,800万円のローンを組んだ場合、「長期優良住宅」なら4,800万円全額が控除対象ですが、「ZEH」だと上限の4,500万円までが控除対象となります。

取得時・取得後の税金優遇

住宅ローン控除以外にも、主に長期優良住宅を対象とした税制優遇がいくつかあります。


固定資産税

2026年3月31日までに新築された住宅の特例措置として、固定資産税が一定期間1/2に減額されます。減額期間は一般の住宅では3年間ですが、長期優良住宅の場合は5年間に延長されます。


不動産取得税

不動産取得税は、住宅や土地を取得した時にかかる税金です。2026年3月31日までの特例で、新築の場合、課税標準額から1,200万円が控除されますが、長期優良住宅の場合、控除額が1,300万円に増額されます。


登録免許税

法務局で所有権の登記を行う際にかかる税金です。この税率も、一般住宅より長期優良住宅の方が低く設定されています。


贈与税(援助を受ける場合)

ご両親や祖父母から住宅取得金の援助(贈与)を受ける場合、一定額まで贈与税がかかりません。この非課税枠が、一般の住宅よりも長期優良住宅やZEHなどの方が大きく設定されています。


これらの措置を受けるためには、細かな要件を満たす必要があります。そのため新築する場合は、計画段階からハウスメーカーや工務店に伝えておきましょう。また、購入する際はその物件が「長期優良住宅」の認定を受けているかを、不動産会社へ事前に確認すると安心です。


長期優良住宅とZEH、どちらを選ぶべき?

長期優良住宅とZEH、どちらを選ぶべき?


ここまで、長期優良住宅とZEHの違いをご紹介してきましたが、最終的にどちらを選ぶかは、ご家族で何を最優先するかによって変わります。

光熱費削減を優先するなら

→「ZEH」がおすすめです。


ZEHは「創エネ」が必須で、月々の光熱費を最大限に抑えることを目標としています。日照時間による発電量に左右される側面はありますが、先述したように「停電時の備え」にもなるなど、光熱費削減やエネルギー自給への関心が高い方に向いています。

長期的なメンテナンスや資産価値を重視するなら

→「長期優良住宅」がおすすめです。


長期優良住宅は「耐震性」や「耐久性」が必須であり、「もしも」の時の安全性や、将来的なメンテナンス費、資産価値といった観点を重視する方に向いています。加えて、税制優遇も手厚いという経済的なメリットもあります。

「長期優良住宅」「ZEH」どちらを満たすことも可能

もちろん、両方の基準を満たした住宅を建てることも可能です。長期優良住宅はZEHの省エネ基準を満たしているため、大きな違いはZEHの必須条件である「創エネ」を搭載するか否かとなります。
つまり、「長期優良住宅」に「創エネ(太陽光発電)」をプラスで搭載することで、どちらの基準も満たすことができるのです。
初期コストは高額になりますが、長期的に見ると光熱費やメンテナンス費などのランニングコストを抑えられる可能性があります。


まとめ

この記事では、住宅を購入するうえで知っておきたい「長期優良住宅」と「ZEH」の違いについて、比較解説しました。
長期優良住宅とZEHの大きな違いは「目的」にあり、長期優良住宅が「耐震・耐久」を必須とするのに対し、ZEHは「創エネ(太陽光発電等で光熱費をゼロへ)」を必須とするのが一般的です。また、住宅ローン控除においては、長期優良住宅の方が手厚い傾向があります。
住宅の性能は、ご家族のライフスタイルに合ったものを選ぶことが重要です。エリアの特性と最新の制度を把握しながら選びましょう。


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