相続税を支払いすぎるということが発生することをご存じの方は、どれくらいいるのでしょうか。
また、その払いすぎた相続税が戻ってくることをご存じでない方もいるのではないでしょうか。
この記事では、相続税還付の期限や手続きの流れ、そして具体的な還付事例についてご紹介します。
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相続税を納めすぎてしまう理由について
まず第一に、「相続税の還付」とは何なのでしょうか。
相続税を払い過ぎていたことが判明した場合、過払金を国から返金してもらう制度のことです。
第二に、なぜ納税済みの相続税を取り戻せるのでしょうか。
相続税の還付というのは、土地を相続した場合に発生しやすく、同じ土地であっても税理士によって評価が違う場合があるかもしれません。
たとえば、その土地の適正価格4,700万円だったとします。
しかし、税理士が誤って8,500万円と評価してしまった場合、差額の3,800万円分を納税者は多く納めてしまうことになります。
こういった事態を避けるため、相続税の還付に関する制度があるのです。
このような相続税の払い過ぎが発生することは、珍しくありません。
それでは、次に「なぜ相続税を納めすぎてしまうのか?」に焦点を当てて、説明していきます。
税務署から知らせが来ない
相続税は、納税者の自主申告によるもので、すべてが正確に計算されているとは限りません。
税務署は、納付額の不足のみを調査し、過払い金については通知をおこないません。
このような経緯から、相続税の過払いは発覚しづらい傾向にあります。
土地評価が複雑で難解
土地を相続した場合、相続税の計算には細心の注意が必要です。
先述の通り、土地の相続では、相続税の過払いが起きやすいといわれています。
その理由として挙げられるのが「複雑で難解な土地評価」です。
土地の評価方法に関連する、さまざまな減額要因や権利・法令法規が難解なため、そのため適正な評価をおこなうのは簡単ではありません。
結果、実際よりも高い評価額になり、相続税を納めすぎてしまうということが起こります。
ちなみに、土地評価に影響を及ぼしやすい法令法規の例として、都市計画法、農地法、建築基準法、森林法、都道府県条例、判例や通達、開発指導要網などがあげられます。
相続税に詳しくない税理士による計算
「税理士」と一言にいっても、専門に扱っている分野は多岐にわたります。
相続税に関する依頼は少なく、そのため相続税に詳しくない税理士も少なくないのが現状です。
税理士なら誰でもいいという考えを見直し、相続税に精通した税理士に依頼することの重要性を認識しましょう。
相続税で使える主な控除や特例の中から、とくに注目すべき4つについてご説明します。
配偶者の税額軽減
配偶者に対する相続は、生活維持に必要な財産を保護するための措置として、税額が軽減されることがあります。
小規模住地等の特例
一定の条件を満たす住宅用地や農地の評価額が軽減されることにより、相続税の負担を軽減することが可能です。
未成年者の税額控除
未成年者が相続人である場合には、その分の相続税が控除されますが、これは未成年者の生活を保護するための措置です。
贈与税額控除
相続人が相続税を納付する前に贈与を受けていた場合、その贈与税額を相続税から控除することで、二重課税を防ぐことができます。
このように、いろいろな項目が絡んでくるため、専門としている税理士に依頼することをおすすめします。
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相続税還付の期限と流れについて
ここでは、相続税還付の申請期限や返金額の計算方法、そして還付申請から返金までの流れについて解説します。
相続税還付の期限
まず知っておいて頂きたいこととして、「相続税還付の期限は5年10か月」ということです。
つまり、被相続人の死亡を知った日から「5年10か月」の間に、相続税の還付の申請をおこなう必要があります。
原則として、「5年10か月」を経過してしまうと、還付の申告はできなくなることに注意しておきましょう。
たとえば、2024年1月1日に被相続人が亡くなったことを知ったとします。
その場合、相続税の申告期限は「2024年11月1日(原則)」となります。
また、相続税の還付手続きの期限は5年10か月後の「2029年11月1日(原則)」です。
相続税還付の返金額
相続税の還付額は、状況によって変動します。
納税額の20%程度が還付されることが多いですが、これはあくまで目安なので、具体的な還付額が気になる方は、相続税専門の税理士に相談するとよいでしょう。
相続税還付の流れについて
提出済み書類の再確認
まずは、提出した書類の見直しから始め、土地や不動産の評価額の調査に進みます。
もしも、実際の不動産価格より申告した不動産の評価額が高いと判明した場合、相続税の還付に必要な手続きに取り掛かります。
税務署へ「更正の請求」の書類を提出
相続税還付の手続きには、税務署から取り寄せた「税の更正の請求書」が必須になります。
以下の必要な書類をまとめてから、税務署に提出します。
●更正の請求に至るまでの経緯を証明できる書類(遺産分割協議書や遺言書など)
●修正申告書
●本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)
●土地の評価について正しい評価額やその計算の根拠となる書類
●相続税の更正の請求書
●提出した相続税申告書の控え
●申告または通知に係る税額および更正の請求による課税標準等または税額等(相続税)
更正通知書の到着
税務署に「更正の請求書」などの書類を提出してから約3か月後、「更正通知書」が届きます。
これには、相続税還付の可否が記載されています。
国税還付金振込通知書
更正通知書の到着から約1か月後、今度は「国税還付金振込通知書」が届きます。
これには、更正後の相続税差額から返金される金額について、記載されています。
還付金の振り込み
さらに2週間待つと、申請者の指定した口座に還付金が振り込まれます。
国税還付金振込通知書に記載された額と相違がないか、しっかり確認しましょう。
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相続税が還付された事例について
事例A 広大地(周りに比べて広い土地)の場合
「広大地」とは、そのエリアにおける標準的な宅地面積よりも広い土地のことです。
判定の基準は以上の3つです。
●三大都市圏の市街化区域で500㎡以上、その他のエリアで1,000㎡以上の土地であること
●大規模な工場やマンションの建築に向かない土地であること
●戸建分譲地として開発する際に、道路や公園といった公共公益施設の建設が発生する土地
では、実際にどんな事例があったのか、見ていきましょう。
隣接した土地の2区画を相続し、それぞれ個別で土地評価をおこなって相続税を申告してしまったケースです。
実は、2区画の土地を相続したとしても、2つの土地の間にフェンスなどがない場合には、本来1つの土地として判断します。
そのため、2つの土地面積の合計が500㎡以上となれば、広大地の要件に該当するのです。
たとえば、隣接する300㎡の土地と450㎡の土地の間に隔てるものがなかったとします。
この場合、750㎡の土地として判断するため、広大地評価が適用されます。
つまり、再評価により、当初3,000万円以上であった相続税額が、2,500万円程度まで下がり、500万円以上還付されるのです。
事例B 不整形地(形のいびつな土地)の場合
不形成地とは、「綺麗な正方形や長方形の形状ではなく、台形や三角形などのいびつな形をした土地」のことです。
不整形地の場合、画地のすべてを有効に活用できません。
そのため、そのエリア内で最大40%評価が下がり、納税額が抑えられます。
また、高低差のある崖地や傾斜地なども不整形地に含まれます。
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まとめ
相続税の過払いは、土地評価の誤りや税理士の不適切な計算によるもので、税務署からの通知はなく、自主申告によるものです。
相続税の還付は5年10か月の期限があり、過払いが発覚した場合、必要な書類を税務署に提出し、更正通知書の到着後、還付金が振り込まれます。
適切な評価と専門的な知識を持つ税理士の選択が重要といえるでしょう。
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