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一つの土地や建物に対し、複数人でそれぞれの所有権を持つことを共有名義と呼びます。
相続人が何人もいる場合、共有名義にするとスムーズに分割することができるものの、将来トラブルを招く可能性が高いです。
とくに、不動産では差し押さえに注意する必要があります。
今回は、不動産の差し押さえとはなんか、差し押さえられるとどうなるのか、対処法を含めて解説します。
土地や建物を共有名義にしている方は、ぜひご参考になさってください。
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相続における共有名義の不動産の差し押さえとは?
まずは、相続における差し押さえとはなにかについて解説します。
相続における差し押さえとは?
不動産相続における差し押さえとは、借り入れしているお金や税金などが滞納した場合、債権者がおこなう法的な手段のことです。
たとえば、マイホームを住宅ローンを使って購入した場合、お金を貸した金融機関はその家に対して抵当権を設定します。
抵当権とは、土地や建物を担保に設定する権利のことです。
万が一住宅ローンの返済が不可となったとき、金融機関は担保にしている不動産を取り上げることになります。
そのあとは共有名義の土地や建物を強制的に売却し、貸したお金の回収を試みるということです。
抵当権の実行を裁判所に申し立てて受理された場合、対象の不動産を取り上げた旨の登記がおこなわれます。
差し押さえとは、競売の事前措置といえるでしょう。
主な原因とは?
共有名義の土地や建物が差し押さえられてしまう主な原因は、下記のとおりです。
●住宅ローンを滞納した場合
●税金を滞納した場合
●債務を滞納した場合
原因としてまず挙げられるのが、住宅ローンを滞納した場合です。
先述のとおり、住宅ローンを使って不動産を購入すると、その不動産に対して抵当権が設定されます。
返済が滞納した場合、抵当権によってマイホームが差し押さえられることになります。
また、税金を滞納した場合も同様です。
税金を滞納してしまうと、給与や財産を差し取り上げられてしまうことになります。
そのほかにも、債務を返済しなかったり返済が滞ってしまったりした場合も、差し押さえが可能です。
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相続で共有名義の不動産が差し押さえられた場合はどうなる?
続いて、相続で共有名義の不動産が、差し押さえられた場合はどうなるにかについて解説します。
どうなるのか1:知らない人と共有することになる
相続で共有名義の不動産が差し押さえられた場合、どうなるのかというと、まず知らない人と土地や建物を共有することになります。
共有名義の土地や建物の場合、差し押さえとなるのは、滞納者の持分に対してのみです。
そのため、不動産そのものを失うわけではありません。
滞納者以外の方の持分に関しては、直接の影響はないといえるでしょう。
ただし、相続における共有持分は「共有=土地や建物を物理的に分割する」というわけではありません。
持分に応じて、共有者全員が不動産全体を利用する権利を持つということです。
たとえば、共有者の1人が税金を滞納し、不動産が差し押さえられてしまった場合どうなるのかというと、その部分のみが競売になる可能性があります。
もし競売となり強制的に売却された場合、落札者に不動産の所有権が移転するのが一般的です。
一見なんの問題もなさそうに思えますが、赤の他人と土地や建物を共有することになり、トラブルになる可能性があります。
どうなるのか2:知らない人と共有するとさまざまなリスクがある
相続によって土地や建物を知らない人と共有名義にした場合、どうなるのかというと、下記のようなリスクが生じます。
●賃料を請求される恐れがある
●知らない人が敷地内に入ってくるかもしれない
まず、賃料を請求される恐れがあることに注意が必要です。
先述のとおり、共有名義とは持分に応じて、共有者全員が不動産全体を利用する権利を持つということを指します。
そのため、誰かが占有利用している場所がある場合、持分に応じた賃料を求められるかもしれません。
知らない人から突然「〇〇円を支払ってください!」といわれる可能性があることを、念頭に置いておいてください。
また、知らない人が敷地内に入ってくる恐れもあります。
競売になった部分を購入した方は、その不動産を利用する権利を持っています。
不法侵入者として扱かったり、追い出したりすることはできないので、第三者と共有する場合は、そのようなリスクがあることも押さえておく必要があるでしょう。
どうなるのか3:共有名義が強制的に解消になる恐れがある
共有名義が解消になる恐れがあることにも、注意が必要です。
競売になった部分を購入した方から、共有物の分割を求められるケースがあります。
もし応じなかった場合は、共有物の分割請求の訴訟を起こされ、強制的に共有状態を解消させられてしまう可能性も否めません。
裁判など大きなトラブルとなってしまい、精神的な負担も大きくなるでしょう。
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不動産相続で共有名義の持分が差し押さえられる可能性があるときにできる対処法
最後に、不動産相続において、共有名義の持分が差し押さえられる可能性があるときにできる対処法について解説します。
対処法1:持分を買い取る
対処法としてまず挙げられるのが、持分を買い取ることです。
対象の不動産を居住用として使用している場合、手放すことに抵抗を感じる方も少なくありません。
家がなくなってしまえば、住むところがなくなり、新しい住まいを探すことになります。
引っ越しには手間も時間もかかるので、できれば避けたいところです。
もし、今の家に住み続けたい場合は、差し押さえが開始される前に買い取れば、ご自身の単独名義として所有できます。
対処法2:債務を支払う
債務を支払うことも、共有名義の持分が差し押さえられる可能性があるときにできる、対処法の一つです。
差し押さえ前であれば、債務を支払ったり不動産取引をおこなったりできます。
ただし、その土地や建物がほしいという強い思いだけでなく、債務を支払える資金力が必要です。
また、支払う場合は、債権者と債務者と話し合いをおこない、同意を得る必要があります。
債権者と債務者の意見を無視したり、意思に反した弁済をおこなったりすることは禁止されているので注意が必要です。
対処法3:売却する
不動産相続において、共有名義の持分が差し押さえられる可能性があるときにできる対処として、売却することも挙げられます。
差し押さえ前なら、共有者全員と話し合い、みんなの同意を得たうえで不動産そのものを売ります。
土地や建物をそのまま売却すれば、まとまった現金を手に入れることができ、売却金で債務を完済できるかもしれません。
よりスピーディーに売りたい場合は、買取で売るのがおすすめです。
買取とは不動産会社が買主となり、直接土地や建物を買取してくれる方法で、仲介に比べると早期の売却が期待できます。
立地や築年数など、条件が悪い場合も売却できる可能性があるので、選択肢の一つとして検討なさってください。
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まとめ
不動産相続における差し押さえとは、借り入れしているお金や税金などが滞納した場合、債権者がおこなう法的な手段のことです。
相続で共有名義になった土地や建物の一部が差し押さえられてしまった場合、知らない人と共有することになったり賃料を請求されたり、教諭状態を解消する訴訟を起こされたりといったリスクが生じます。
共有名義の持分が差し押さえられる可能性があるときにできる対処法として、持分を買取したり債務を支払ったりするといったさまざまな方法があります。
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